スワップポイントは、持っているだけで毎日入ってきます。ところが口座を開いて眺めてみると、金額が入る朝もあれば、入らない朝もあります。ある日は3日分がまとめて入っています。

付くか付かないかを決めているのは、持っていた時間の長さではありません。1日に一度ある区切りを、またいだかどうかです。

この記事では、その区切りが何時なのかと、なぜ水曜だけ3日分(後述しますが、毎回ではありません)になるのかを確かめます。そのうえで「区切りの直前に買えば1日分もらえるのではないか」という考えが成り立つのかを数えます。

区切りは、ニューヨークが閉まる時刻

この区切りは、ニューヨークの市場が一日の取引を終える時点に置かれています。日本の時計で言うと、向こうが夏時間を使っている間は朝6時ごろ、11月から3月の標準時では朝7時ごろです。

だから年に二度、この時刻が1時間動きます。3月の第2日曜と11月の第1日曜が切り替えの日です。日本に夏時間はないので、こちらの生活は何も変わらないのに、口座の中の区切りだけが前後します。

ただし、口座の画面に数字が現れるのは、たいていもう少し後です。処理の順番が会社ごとに違うためで、金額そのものは区切りをまたいだ時点で確定しています。表示が追いついていないだけです。

2分でも1日分、12時間でも0円

付くか付かないかは、この区切りをまたいだかどうかだけで決まります。持っていた時間の長さは関係ありません。

買った時刻決済した時刻持っていた時間受け取り
朝6時59分朝7時1分2分1日分
朝8時夜8時12時間0円
※区切りが午前7時ごろの場合です。夏時間の間は午前6時ごろになります。

この決まり方には理由があります。スワップは持っていた時間に対して払われているのではなく、受け渡しの日付を1日先へずらす手続きに対して付いているからです。区切りをまたぐというのは、その手続きが一度行われたということです。だから2分でも1回分になります。

長く持ち続ける人には、ほとんど関係のない話です。毎日またぐので、毎日入ります。関係が出てくるのは、その日のうちに出入りする場合です。同じ1日でも、受け取れたり受け取れなかったりします。

では、区切りの直前に買えばいいのか

2分で1日分が付くのなら、毎朝その2分だけ持てばいい。そう考えたくなります。

トルコリラ円のスワップは、1万通貨あたり1日20円から24円です。この水準はトルコリラ円のスワップポイントは1日20〜24円で確かめました。

一方、買って売るまでには買値と売値の差が一度乗ります。トルコリラ円のその差は0.6銭から1.4銭ほどです。1万通貨で見ると、60円から140円になります。

トルコリラ円・1万通貨金額
区切りをまたいで受け取る額1日で20〜24円
買って売るまでに乗る差60〜140円
受け取りの何日分かおよそ3日分〜7日分
※差はダイヤモンド・ザイの比較(2026年8月5日時点)にある原則固定の値で、会社ごとに異なります。受け取りは1万通貨あたりの目安です。

1日分を取りにいくために、3日分から7日分を払うことになります。往復するたびに一度乗るので、毎朝くり返せば、そのたびに乗ります。

しかも朝6時から7時にかけては、この差が広がりやすい時間帯です。参加者が少なくなる時間に、あえて往復することになります(この性質はスプレッドとは何かにまとめました)。

数えると、問いが変わります。区切りの前に買うかどうかではなく、往復を何回するかです。回数が増えれば、受け取りよりコストの方が大きくなります。

水曜だけ3日分になる理由

土日にあたる分は、平日のどこかにまとめて付きます。多くの通貨ペアでは、水曜から木曜へ持ち越すところです。

鍵になるのは、受け渡しの日付です。FXの売買は、その場で通貨を渡し合っているわけではありません。2営業日あとに受け渡すという約束の形で記録されています。

持っている日受け渡しの日進む日数
火曜木曜1日
水曜金曜3日
木曜翌週の月曜
※土日は受け渡しの日にならないので、水曜から木曜へ持ち越すところで日付が3日進みます。

受け渡しの日付が3日進むので、金利の差も3日分になります。土日に市場は開いていませんが、お金は3日分の時間を過ごすことになる、という数え方です。

ここで一つ、向きの話があります。買って持っている人には3日分が入りますが、売って持っている人からは3日分が引かれます。符号が反対になるだけで、まとまる日は同じです(払う側の見方はマイナススワップとは?にあります)。

付かない日と、4日分になる日

この2営業日を数えるとき、休みの日は飛ばします。どこが休みかは、その通貨の国の暦で決まります。

クリスマスや年末年始、それにアメリカや南アフリカの祝日が挟まる週では、3日分が付く曜日が動いたり、1回で4日分になったりします。高金利通貨を持っていれば、そういう週の受け取りはまとまって厚くなる。反対に、区切りを通る回数そのものが減る週もあります。

ここで一つ、通貨ごとの事情が入ります。受け渡しの日付は、その通貨ペアの両方の国の営業日で数えるからです。ランド円なら日本と南アフリカ、ペソ円なら日本とメキシコ。南アフリカの祝日で飛ぶ日と、メキシコの祝日で飛ぶ日は同じではありません。三通貨を並べて持っていると、まとまる日が通貨ごとにずれることがあります。

曜日も日数も、会社と通貨ペアで食い違うことがあります。多くの会社が通貨ペアごとの予定表を出しているので、持っている通貨の分を時々チェックしておきましょう。

「付いた」と「手元にある」は別のこと

もう一つ、スワップが付いたあとの扱いが分かれます。その日のうちに証拠金として使えるのか、それとも建玉を閉じるまで手をつけられないのか。ここは口座の仕様しだいです。

使えるかどうかは、そのまま買い増しに回せるかどうかの話になります(スワップは複利で増やせるのか?)。

そして税の側も、付いた時点を見ています。決済していなくても、受け取ったスワップはその年の所得として数えられる場合があります。含み損を抱えたまま納税だけが出る、ということが起こりえます(スワップポイントに税金はかかる?)。

結局、どこを見ておけばいいか

持ち続ける人にとって、この記事の内容はほとんど関係がありません。毎日区切りをまたぐので、毎日入ります。水曜に3日分が入り、祝日の週は少しずれる。それだけです。

関係が出るのは、出入りする回数が多い場合です。そのとき問題になるのは区切りの時刻ではなく、往復のたびに一度乗る差の方でした。1万通貨のリラ円で、受け取り3日分から7日分にあたります。

受け取りがいくらになるかは、通貨と量で決まります。その数え方はスワップポイントとは何かにまとめています。